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成長したければ本を読むのが一番。本選びに悩む人たちに指針を与えつつ、小遣いを稼ごうという趣旨のブログ。

VSE標準導入の手引き

紹介する理由

管理されていない組織に成功はあり得ません。プロジェクトも組織で行うならば管理が必要です。しかし、一般的なプロジェクト管理プロセスは複雑難解でオーバーヘッドが大きすぎ、適切にテーラリングするスキルが無い管理者には任せられません。テーラリングという言葉さえ知らない似非管理者も多いでしょう。ならばと現れたのが、VSEです。もちろんさらなるテーラリングも可能ですが、VSEはミニマムセットであり、不用意な省略は命取りです。管理には何が必要で不可欠なのか、考えるヒントになります。

基本情報
現時点の最終版 1版
タイトル VSE標準 導入の手引き
原題 -
著者 一般社団法人情報サービス産業協会編
監修者 -
訳者 -
監訳者 -
出版年 2014
原出版年 -
出版社 IAG
原出版社 -
紙ページ数 91
定価 2160
分野 ソフトウェア開発プロセス
続刊 なし
著者による目的 VSE標準を実際の現場に適用してもらう
総評
品質5段階評価
目的合致性 3 解説書を名乗っている通り、抽象的な内容に留まる
一貫性 5  
可読性 3 ありがちな用語の不統一・不明確がある
長さの合理性 1 このページ数にした根拠が見えない
網羅性 5 VSE自体を網羅してはいる
専門性 3 本来高度な話題なのだが抽象的過ぎて伝わらない
学習容易性 1 独学は不可能だと思った方がいい
適応性5段階評価
エキスパート 1 入門書だから仕方ない
実務家 2 より実際的な知識に貪欲でありたい
上級者 3 管理について体系的に学ぶ中での選択肢に入れたい
学習者 1 技術に集中した方がいい
初学者 1 0に等しい
所感

合格

良いところ

VSEというもの、開発プロセスというものについて、軽く紹介する本と捉えましょう。学習するために読む本ではありません。勤勉だが不幸にも無知な管理者が石にかじりついてでもプロジェクトを成功させたいと願うなら、あるいは、管理の経験は無いが組織を任されることになった素人管理職が配下にあるプロジェクトのことを少しでも理解したいと願うなら、VSEの学習から入る手もアリです。下手にPMBOKを開いて絶望するよりはマシですし、自称エキスパートな偽者が書いたくだらないハウツー本に騙されたら終わりです。

欠格

悪いところ

PMBOKもそうだからと高をくくったのかもしれませんが、実際のプロジェクトに当てはめるための具体的な方法論、思考法を示す記述が皆無です。平易な本なので分かった気にはなるでしょうが、いざ自分の仕事に活かそうとすると立ち止まってしまうはずです。分かった気になったその先のステージまでは面倒を見てくれません。PMBOKは分かった気にもなれないので、どっちがマシかという話ではあります。

雑感

その他

実は、私にとってはとてもタイムリーな本で、開発プロセスやプロジェクト管理についての下地もそれなりにあったので、意外と応用が利きました。客観的にとても高くは評価できない本ですが、役立てることができた実例がここにいますから、決して無益ではないはずです。読む人を選ぶんでしょうね。褒め言葉にはなっていませんが。