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成長したければ本を読むのが一番。本選びに悩む人たちに指針を与えつつ、小遣いを稼ごうという趣旨のブログ。

憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座

紹介する理由

憂鬱なプログラマという言葉は、オブジェクト指向プログラミングについて漠然とした疑問を持っていたり思い込みにとらわれてうまく実践できないプログラマ、という意味です。根暗とか病的とかいうことではありません。
というわけで、数あるオブジェクト指向本から特に紹介したいのがこの本です。オブジェクト指向言語でなければ採用に値しないくらいの勢いで当たり前になっている「オブジェクト指向」ですが、今も昔もろくに理解しないままVBと見分けがつかないVB.NETのコードを量産している「自称プログラマー」が跋扈しています。私はこの本でようやくオブジェクト指向プログラミングという概念をつかみました。自分が「分かっている」のか「分かった気になっているだけ」なのか確認する意味でも、読んでみる価値があります。

基本情報
現時点の最終版 1版
タイトル 憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座
原題 -
著者 Tucker!
監修者 -
訳者 -
監訳者 -
出版年 1998
原出版年 -
出版社 翔泳社
原出版社 -
紙ページ数 449
定価  
分野 オブジェクト指向プログラミング
続刊 なし
著者による目的 オブジェクト指向」という概念に基づいてソフトウェアを開発するための入門書
総評
品質5段階評価
目的合致性 5 10でもいい
一貫性 5  
可読性 3 言い回しの堅さが人を選ぶか
長さの合理性 5  
網羅性 4 20年経てば不足も出て当然
専門性 5  
学習容易性 5 Cでプログラミングできる人ならOKと著者も言っている
適応性5段階評価
エキスパート 1 とっくにマスターしたはず
実務家 3 迷った時に頼ればいい
上級者 5 時代の常識は避けて通れない
学習者 5 知らないと先へ進めない
初学者 3 プログラミングのセンスがあれば十分読める
所感

合格

良いところ

徹底したリサーチに基づくだけあって、分かりやすさにおいてその辺の適当なオブジェクト指向本では比較にもなりません。「はじめての」「ゼロから」「すぐ分かる」系の本で軽く触れている程度のことしか知らないで、.NET、JavaRubyPythonなどなど、主流の言語でものが書けると思ったら大間違いです。方法論から実装までを体系的に学ぶ必要があり、この本はそれを実現してくれます。

欠格

悪いところ

もう少し取っ付きやすい表現ができなかったか。気概はものすごく感じられますが、読者にも同様の気概を求めている感じです。もちろん読者が努力してなんぼではあります。しかし、読者は理解に対して努力すべきで、読書のストレスに対して努力するべきではありません。そこだけが気になります。

雑感

その他

当時C++は既に始めていた私ですが、Cと比べて何がそんなに偉いのか疑問でした。同時に、プログラミングに対しては自分なりの方法論があり、C++の方が圧倒的にやりやすいと感じていました。何十冊と関連本を漁る中でこの本を発見し、自分の考えた方法論を洗練させた結果がオブジェクト指向なのだと理解した時は嬉しかったです。
そんな思い出のある本ですが、入手しづらくなってきました。ですがオブジェクト指向プログラミングの時代はまだまだ続きます。いい本こそ残ってほしいものですが、真面目な人が真剣に読む本は売れ行きが悪く絶滅、誰でも読めるがすぐ捨てられる本は売れ行きだけは良く重版、どうにかしてほしいものです。