コリン・ローズの加速学習法実践テキスト
紹介する理由
エンジニアほど、継続的かつ迅速に学習しなければならない仕事もありません。技術は常に進歩するし、業務は常に違うし、保守すべきコードは常に斬新です。学習に近道はありませんが、同じ道を歩くか走るかで結果が変わります。この本は走り方を教えてくれます。自ら主体的に学習するという「アクティブラーニング」とは本質的にどういうものなのか、しっかり読めば分かるはずです。
基本情報
現時点の最終版 | 1版 | |
タイトル | コリン・ローズの加速学習法実践テキスト 「学ぶ力JI考える力JI創造性Jを最大限に飛躍させるノウハウ | |
原題 | master it faster how to learn faster, make good decisions and think creatively | |
著者 | コリン・ローズ(Colin Rose) | |
監修者 | - | |
訳者 | 牧野元三 | |
監訳者 | - | |
出版年 | 2004 | |
原出版年 | 2000 | |
出版社 | ダイヤモンド | |
原出版社 | Accelerated Learning Systems Ltd | |
紙ページ数 | 235 | |
定価 | ||
分野 | 学習法 | |
続刊 | なし | |
著者による目的 | 効果的に学び、創造的に思考する方法を教える |
総評
品質5段階評価
目的合致性 | 4 | 著者の研究が十分書かれていると思う |
一貫性 | 5 | 流れに違和感は無い |
可読性 | 2 | ページのレイアウトが美しくない |
長さの合理性 | 3 | もう少し段階的に解説してもよかった |
網羅性 | 4 | 研究自体が途上にあるため |
専門性 | 3 | 頑張れば誰でも読める |
学習容易性 | 2 | 学習法を多少学んだ人向けではないか |
適応性5段階評価
エキスパート | 2 | 今更と思って驕ってはいけない |
実務家 | 4 | プロだからこそ学ぶべきことが多い |
上級者 | 3 | さらに上を目指す人には必要 |
学習者 | 5 | 一番意欲があるはずなので最適 |
初学者 | 1 | 目的が技術の習得であり、むしろ時間をかけることを覚えるべき |
所感
合格
良いところ
暗記法、ノートの取り方など、ほぼ受験対策でしかない本では、覚えたら忘れる方法しか教えてくれません。生涯を通して向上し続け、創造し続けるための学習法を教わる機会は少ないです。エンジニアというのは、後で楽をするために今努力する生き物です。その習性に見事適合しています。
欠格
悪いところ
ページの本文とサイド(余白部分)の使い方が全然違うので、頭を切り替えながら読まなければいけません。脳をうまく使う方法を教える本が、脳をうまく使える人にしか読みこなせないデザインになっています。そこは残念です。 サイドには演習やコラムしかないので、無視して本文だけ読めばいいのですが。
雑感
その他
近年は学習法ブームのような感じで科学的に実証された方法を謳う本が大量生産されています。どれも似たようなことを言っていて、しかも地味に正反対なことも言っていて、何を信じていいのか分からない人が多いのではないかと思っています。加速学習法は、科学的学習法全般の基礎理論とも言えるものです。知っていて損は無いはずです。