労働基準法の実務相談
紹介する理由
人間には、亀と馬車馬がいるそうです。馬車馬=アドレナリン・ジャンキーにとって、労働法など何の価値も無いでしょう。ジャンキーが経営者になるとブラック体質に陥りやすいわけですが(木卯井とか禾口民とか)。私のような亀には、ブラック体質が苦痛でしかありません。労働法は、亀が身を守るための甲羅です。労働法は嫌がらせのように難解ですが、基本は押さえておきましょう。
基本情報
労働基準法の実務相談〈平成30年度〉 [ 全国社会保険労務士会連合会 ] |
現時点の最終版 | 平成30年版 |
タイトル | 労働基準法の実務相談 | |
原題 | - | |
著者 | 全国社会保険労務士会連合会 | |
監修者 | - | |
訳者 | - | |
監訳者 | - | |
出版年 | 2018 | |
原出版年 | - | |
出版社 | 中央経済社 | |
原出版社 | - | |
紙ページ数 | 544 | |
定価 | 2900 | |
分野 | 法律・労働基準法 | |
続刊 | 毎年更改 | |
著者による目的 | 労働基準法の実務的な取扱いをマスターする |
総評
品質5段階評価
目的合致性 | 3 | 紙幅の都合で詳しさに欠ける |
一貫性 | 3 | |
可読性 | 2 | 関連項目へのインデックスがほしい |
長さの合理性 | 2 | 価格とのバランスだが、文字サイズを下げても情報がほしい |
網羅性 | 2 | 他に情報源が必要(法律原文を読むのは当然だが) |
専門性 | 4 | 平易な表現だが前提とするものは多い |
学習容易性 | 4 | 理解できなくても雰囲気は伝わる |
適応性5段階評価
エキスパート | 1 | ジャンキーにしか到達できないため |
実務家 | 3 | 常識として頭に入れておくべき |
上級者 | 2 | さわりだけでも見ておきたい |
学習者 | 1 | まだ早い? |
初学者 | 1 | 他のことを優先すべき |
所感
合格
良いところ
紙面として見やすく、取っつきやすい。サイズが手頃で邪魔にならない。詳細を省いている面があるとはいえ、ポイントを押さえた解説は頭に入りやすい。法律書というと無駄にお堅く、上から目線の解説書が多いですが、この本を書いたのが社労士ということもあってか、聞き手に歩み寄っている感じがあります。判例本よりは遙かに読みやすいです。
欠格
悪いところ
せっかく読みやすいのに、見出しが法律書そのもので、素人には知りたいことがどこにあるのか、絶対に分かりません。UXデザインが甘いです。別途労働法を学んでいればなるほどと思えることでも、何も知らずにこの本だけ読んでも分かりそうになかったり、最悪は誤解しかねない記述もあります。学習とは何事も自己責任なのですが、もう少し考えてもらいたい気がします。
雑感
その他
この時代、情報としては必須です。仮にジャンキーであっても、上司になり部下を持つことになれば、決して無視できない内容です。どこが守られていて、どこに隙があるのか、この本(+他の関連本)から読み取れます。全ての労働者にとって、価値があると思います。