JISハンドブック ソフトウェア
明らかに必読書ではありませんし、読み物ですらありません。それでも、国際社会でソフトウェアがどのように定義され、どのように期待されているのか知る機会はほとんど無く、狭い日本の古い因習に呪縛されているエンジニアが多いのは確かです。世界を知るためにも、自分の仕事を見つめ直すためにも、標準という文書に目を通すのもいいと思います。
現時点の最終版 | 2016年版 | |
タイトル | 【66-1】JISハンドブック ソフトウェア 2016 | |
原題 | - | |
著者 | 日本規格協会 | |
監修者 | - | |
訳者 | - | |
監訳者 | - | |
出版年 | 2016 | |
原出版年 | - | |
出版社 | 日本規格協会 | |
原出版社 | - | |
紙ページ数 | 1808 | |
定価 | 14472 | |
分野 | ソフトウェアにまつわる国内標準 | |
続刊 | 継続的に更改 | |
著者による目的 | 標準の周知 |
目的合致性 | 3 | 味も素っ気もない |
一貫性 | 3 | 資料でしかないので |
可読性 | 2 | 字が小さく紙が薄い |
長さの合理性 | 3 | 分量は問題ではない |
網羅性 | 2 | 入れてほしい規格が足りない |
専門性 | 5 | 当然 |
学習容易性 | 1 | 教科書ではない |
エキスパート | 5 | 常に最先端であるべき |
実務家 | 5 | マネージャーには必要 |
上級者 | 3 | 全部を知る必要は無い |
学習者 | 1 | まず基本を知るべき |
初学者 | 1 | 見ても分からない |
合格
これ以上に確かな情報源はありません。入手しようと思うならば、元になったISOの文書よりもJISの方がなぜか安いです。規格は個別に冊子状で販売していますが、ハンドブックの方が結果的に安くつきます。異様に高価だとはいえ、これでも標準規格の文書としては格段に安いのです。参考程度のものから、知らないでは済まない専門知識まで、これでもかと詰め込まれています。
欠格
とにかく読みづらいです。ISOのフォーマットを踏襲しているため、規格毎に微妙に書き方が違います。用語の統一性も低いです。ISOのせいですが。 品質管理、安全管理の分野で、ソフトウェアでも絶対に忘れてはいけないことを書いている規格があるのに、おそらくそれらが機械工業生産の分野しか想定していないためでしょうが、丸ごと抜けています。JIS=日本工業規格というくらいですから。 足りないことがあるだけで、書かれていることの価値が落ちるわけではありません。むしろ、この難解な文書をスラスラ読めるようになることを目標に学習していくのもアリです。
雑感
書店でJISハンドブックの棚を見ると圧倒されますし、何となく現場には関係ないような気もするでしょう。しかし、手元に置くと意外にコンパクトです。これくらいのサイズの専門書はいくらでもあります。驚くほど高価なため誰もが買えるわけではないのが玉に瑕ですが、逆に机にあれば一目置かれる存在になれるはずです。