プロとしてのOracleアーキテクチャ入門
紹介する理由
嘆かわしいことに、「データベース」は知っていても「RDBMS」が何の略なのかさえ知らない人が多いものです。"Relational"の意味に至っては、テーブル間のキーのつながりだと思っている人が圧倒的多数です。それならばリレーショナル理論から始めればいいのですが、退屈で死にそうになります。どうせなら技術的な面白さを求めたい。そしてRDBMSとは何であり、どう実現されているのか、理解できればなお良い。これはそういう本です。
基本情報
プロとしてのOracleアーキテクチャ入門第2版 図解と実例解説で学ぶ、データベースの仕組み [ 渡部亮太 ] |
現時点の最終版 | 2版 |
タイトル | プロとしてのOracleアーキテクチャ入門第2版 図解と実例解説で学ぶ、データベースの仕組み | |
原題 | - | |
著者 | 渡部亮太 | |
監修者 | ||
訳者 | ||
監訳者 | - | |
出版年 | 2015 | |
原出版年 | - | |
出版社 | SBクリエイティブ | |
原出版社 | - | |
紙ページ数 | 400 | |
定価 | 2808 | |
分野 | データベース | |
続刊 | なし | |
著者による目的 | あやふやな知識ではなく実務で活用できるアーキテクチャの理解を目指す |
総評
品質5段階評価
目的合致性 | 4 | ハードの知識もないと実務は厳しい |
一貫性 | 5 | |
可読性 | 4 | 一部の専門用語はプロでも躓く |
長さの合理性 | 4 | 最終章として実装例を見せてほしかった |
網羅性 | 5 | Oracle本としては十分 |
専門性 | 5 | かなりの前提知識を要求する |
学習容易性 | 3 | 経験者は理解できるがここから学び始めるのは無理 |
適応性5段階評価
エキスパート | 3 | 十分知っているはずなので細かい確認のために |
実務家 | 5 | 完璧ではない理解を助ける |
上級者 | 3 | 読んでも分からないだろうが徐々に覚えればいい |
学習者 | 2 | 図を眺めるだけでもいい勉強になる |
初学者 | 1 | 何の助けにもならない |
所感
合格
良いところ
RDBMSについてこれだけ詳しく説明した資料はなかなかありません。図解入門よくわかる最新Oracleデータベースの基本と仕組みも直感的には分かりやすいですが、プロのエンジニアには物足りないと感じます。現場主義シリーズだけのことはあります。
欠格
悪いところ
Oracleを使った経験が豊富にあっても、RDB理論やDBMSの内部構造について知識が乏しいから、この本を開くわけです。それにしては、不用意に専門用語を使っている印象です。RDBMSを作ったことが無い人、構築したことが無い人を想定した書き方ではない部分があります。ほんのわずかな部分ですから、読むのに支障は無い程度ですが、理論的な話が元々苦手だという人には辛いかもしれません。
雑感
その他
エンジニアは好奇心旺盛でなければなれない職業ですから、レイヤー図、コマンド実行画面、SQL実行計画などを見ているだけでもワクワクするでしょう。技術書こそ楽しく読めるべきだと思っています。とてもエンジニア向けの一冊です。