ソフトウェアの本紹介でアフィリエイト

成長したければ本を読むのが一番。本選びに悩む人たちに指針を与えつつ、小遣いを稼ごうという趣旨のブログ。

JSTQB Foundation

紹介する理由

ソフトウェアテストに特化した、世界でも例を見ない資格試験のテキストです。ITSQBの日本語版。InternationalからJapaneseへ。試験を受けるつもりが無くても、ソフトウェアテストの体系的な知識を得るために最適な一冊です。一般的な意味と違う意味で用語を使っているため分かりづらいことは否めませんが、品質保証にテストは不可欠です。学ぶしかありません。

基本情報

JSTQB Foundation第3版 対応試験Foundation Level (ソフトウェアテスト教科書) [ 大西建児 ]
現時点の最終版  第3版
タイトル ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 
原題
著者  大西健子、勝亦邦秀、佐々木方規、鈴木三紀夫、中野直樹、町田欣史、湯本剛、吉澤智美
監修者
訳者  -
監訳者  -
出版年  2011
原出版年  -
出版社 翔泳社
原出版社  -
紙ページ数  405
定価  4298
分野  テスト、資格
続刊  シラバス改訂毎に出ている
著者による目的

 受験対策
JSTQBの目的自体はテスト技術者の養成

総評
品質5段階評価
目的合致性  
一貫性 4 本文と用語集の関係が分かりづらい 
可読性 文体はやや堅く、用語集が絶望的 
長さの合理性  
網羅性 試験対策本なので実践情報が少ないのは仕方ないか 
専門性  
学習容易性 2 シラバスの「1」よりマシ 
適応性5段階評価
エキスパート 新版が出たらチェックすればいい 
実務家 既に知っているはずなので引き出しにでも入れておく 
上級者 5 細かい情報の正確な理解に向けて調べる資料
学習者 テスト技法に特化した全範囲を浅く知るための道具 
初学者 3 理解できないだろうが目に付く場所に置いてほしい 
所感

合格

良いところ

受験を考えていなくても、テスト技法について具体的且つ網羅的に学習したければ、意外と役に立ちます。Foundationでは技法中心ですが、Advancedなど上位まで進めば、マネジメント系の情報が入ってきます。

最近のプログラマーは、UIデザイナーであり、アルゴリズムデザイナーであり、テスターであり、そもそもプログラマーでもあります。日本が特殊だという見方もありますが、少なくとも日本人プログラマーならその状況で生き残る必要があります。「神は細部に宿り、悪魔は細部に潜む」。神を呼び込むのが設計であり、悪魔を燻り出すのがテストです。理論を真面目に学ぶなら、この本がいいでしょう。

欠格

悪いところ

 独自の用語体系を持っているため、ISO/JISとも現場で飛び交うものとも違い、慣れるまでは読むこと自体に苦労します。用語集は知っている前提で書いている風で、とてもそこだけ読めば直感的に何かをつかめるというものではありません。

それでも、ネットで無料配布しているシラバスと用語集に比べたら雲泥の差です。シラバスに無理矢理合わせずに、体系的に技法と用語を理解させてから、おもむろにシラバスマッピングするという流れが良かった気がします。

雑感

その他

 JSTQBが出た当時、テストに特化した唯一の専門資格でした。現在はテストエンジニア向けの民間資格が出てきてはいますが、JSTQBの簡易版であったり、特定のツールを前提としたステマ的なものであったりと、魅力に欠けます。やはり、学ぶなら本家でしょう。履歴書にJSTQBと書けば反応する企業も増えています。必要とされているんです。