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成長したければ本を読むのが一番。本選びに悩む人たちに指針を与えつつ、小遣いを稼ごうという趣旨のブログ。

初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

紹介する理由

日本語が書けない人がとても多い業界です。最も厳密さが求められる業界でもあるというのに。社内の仕様書だけではなく、提案書、マニュアルの日本語も最悪です。何を言っているのか分からないメールを忖度しながら読み書きして結果納品後に根本的な意思疎通のミスが発覚するなど、日常茶飯事です。 この本はタイトル通り日本語の初歩の初を教えています。正確には、初歩の初を教える立場の人に向けた本です。「仕事の日本語はそんな易しいものじゃない。もっと大人の日本語だ」と言いますか? 易しい日本語さえ使えない人に、大人の日本語が使えるでしょうか。日本語すら書けない人に、プログラミング言語が書けるでしょうか。そういう話です。

基本情報

初級を教える人のための日本語文法ハンドブック [ 庵功雄 ]
現時点の最終版 1版
タイトル 初級を教える人のための日本語文法ハンドブック
原題 -
著者 庵 功雄, 松岡 弘, 中西 久実子, 山田 敏弘, 高梨 信乃
監修者 -
訳者 -
監訳者 -
出版年 2000
原出版年 -
出版社 スリーエーネットワーク
原出版社 -
紙ページ数 443
定価 2376
分野 日本語
続刊 なし(中上級を~という上位版あり)
著者による目的 日本語教育者への指針とする
総評
品質5段階評価
目的合致性 5 もちろん学習者が読んでも十分な価値がある
一貫性 5  
可読性 5 よく整理されている
長さの合理性 5 知識のある教育者を前提とすれば必要十分
網羅性 5 中級以上に譲る内容もあるが、本書としては満足
専門性 5 実は難しいことを書いている
学習容易性 4 油断すると混乱してしまう
適応性5段階評価
エキスパート 5 高度なスキルこそ正確に伝えたい
実務家 5 伝わらないドキュメントに価値は無い
上級者 5 濃いコミュニケーションこそ正確に
学習者 5 人が書いたものを正しく読むことが大事
初学者 5 知らないことばかりだからこそ高い読解力が大事
所感

合格

良いところ

教育者のために教育者が書いた本なので、教育の現場で戸惑うポイント、生徒が疑問に思いやすいポイントを押さえてきています。生徒の立場で言えば、自分が漠然と感じていた疑問の答えがある程度まで書いてあるということです。 日本語教育を受けるのは主に外国人ですが、外国人が独習で使うには高度に過ぎます。やはり誰かに教わらないと難しいでしょう。しかし私たちは日本人です。言われれば分かるはずです。

欠格

悪いところ

淡々としていて、眠くなります。良くも悪くもセンセイが書いた本という感じです。デザインの専門家や、類似性のある小学校低学年の担任などをチームに加えれば良かったかもしれません。

雑感

その他

日本語の難しさと面白さを実感できます。学校の教科書は学習指導要領の制限を受けますが、日本語学校は全体を教えることが目的です。日本人なら改まって教わることが無いけれど、日本人こそ正しく理解するべき日本語を教えてくれます。